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鉄骨階段の「ササラ」の種類と選び方|意匠性と施工性を両立するポイントとは?

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鉄骨階段の設計において、意匠性・施工性・コストを同時に左右する重要な部材が「ササラ桁」です。通称「ササラ」と呼ばれています。ササラは踏板(ふみいた)を支える構造部材であると同時に、階段の外観を決定づける意匠上の要素でもあります。形状や材質の選択次第で、シャープなミニマルデザインから重厚感のある力強い表現まで幅広い演出が可能であり、建物のコンセプトや用途に合わせた選定が求められます。本記事では、ササラの基本的な役割や形状の種類、設計時に押さえるべき法規・強度のポイントまで、実務に役立つ情報を解説します。

目次

鉄骨階段の要「ササラ」とは?役割と主な形状

鉄骨階段を構成する主要部材は、主に「踏板」「蹴込み板(けこみいた)」「ササラ」の3つです。このうちササラは、斜めに傾いた梁として踏板などを支え、その両端を鉄骨梁に接合することで階段全体を成立させる役割を担います。

ササラの主な役割(構造保持と意匠)

ササラには大きく2つの役割があります。

  • 構造保持:利用者の荷重や階段自重を受けて構造体に伝達する「梁」としての役割です。建物の用途に応じた積載荷重に対し、十分な強度を確保することが設計上の基本となります。
  • 意匠形成:ササラは階段の側面に露出する部材であるため、その形状や仕上げが階段全体の印象を大きく左右します。

代表的なササラの形状:内ササラと外ササラ

ササラの形状は、大きく次の2種類に分かれます。

外ササラ(側桁形式):ササラの内側に踏板が収まる形式です。横から見るとササラのフラットな面のみが見えるため、すっきりとしたシャープな印象を与えます。

内ササラ(段ササラ形式):ササラがジグザグの段状に加工され、踏板がその上に乗る形式です。階段のボリューム感や構造美を積極的に見せたいデザインに適しています。

片持ち(キャンチレバー)形式:片側の壁や梁から踏板を突き出させて支持する形式です。ササラが片側にしか存在しない、あるいは壁の中に隠蔽されるため、踏板が空中に浮いているような「浮遊感」を演出できます。究極の開放感を求めるデザインに採用されますが、片側のみで全荷重を支えるため、非常に高い構造強度と壁側の強固な固定が求められます。

代表的な材質

ササラに使用される鋼材の種類は、コスト・意匠性・構造性能の観点から主に以下の4種類に整理されます。

鋼材の種類 特徴とメリット 最適な用途
平鋼(FB:フラットバー) 製鉄所で規格サイズに作られた直線状の鋼材。加工工程が少なくコストを抑えられる。極めてミニマルでシャープな直線美が特徴。 直線的なデザインの階段、コストを抑えつつモダンに見せたいオフィスなど
溝形鋼(チャンネル) 「コ」の字型の鋼材。剛性が高く、軽量でコストパフォーマンスに優れる。 非常階段、バックヤード、標準的な商業階段
ボックス(角形鋼管) 四角い筒状の鋼材。ねじれに強く、ササラ自体にボリュームを持たせた力強い意匠が可能。 大空間の吹き抜け、ロングスパンの階段
レーザーカット鋼板 大きな鋼板から、レーザー機で任意の形を切り出したもの。規格品にはない「ギザギザ形状(段ササラ)」や「曲り」を表現できる。ミリ単位で意匠をコントロール可能。 ランドマーク物件、デザイン重視の店舗

上表のとおり、標準的な商業・業務施設ではコストパフォーマンスの高い溝形鋼(チャンネル)や平鋼が多用されます。一方、ランドマーク物件や意匠を重視する複合施設ではレーザーカット鋼板による段ササラが採用されるケースが増えています。

ササラのバリエーションと設計のポイント

ここでは代表的な意匠パターン別に、ササラ選定のポイントと注意点を解説します。設計の初期段階で意匠・コスト・構造の方向性を明確にしておくことが、後工程での手戻りを防ぐ重要な前提となります。

ミニマルを追求する「フラットササラ(平鋼)」

平鋼(フラットバー)を用いた内ササラは、側面がフラットな面として仕上がるため、最もシンプルで直線的な意匠を実現できます。JIS規格の規格品を活用できるため加工工程が少なく、スケジュール・コストの両面で管理しやすい仕様です。ガラス手すりやステンレス手すりとの組み合わせにより、モダンでミニマルな空間をつくり出すことができます。シャープな印象を損なわないよう、溶接部の仕上げ精度と表面処理の品質管理が重要なポイントとなります。

コストパフォーマンスに優れた「チャンネルササラ」

溝形鋼(チャンネル)は「コ」の字型の断面形状を持ち、断面二次モーメント(曲げ変形への抵抗力を示す指標)が高いため、細い部材でも十分な剛性を確保できます。非常階段・バックヤード・標準的な商業施設の階段など、意匠よりも機能性・経済性が優先される場面で広く採用されています。フランジ(コ字の端部)の向きによって見え方が変わるため、設計段階での納まりの確認が必要です。

高級感と剛性を両立する「ボックスササラ・特殊形状」

角形鋼管(ボックス)を用いたボックスササラは、正方形または長方形の中空断面がねじれ剛性に優れており、大スパンや吹き抜け空間のような大きな荷重・変形が生じやすい条件に適しています。部材自体にボリュームと存在感があるため、階段を建物のシンボルとして演出したいランドマーク物件や大空間の施設で採用されます。さらにレーザーカット鋼板による段ササラは、ミリ単位でジグザグ形状をコントロールできるため、設計者の意図をそのまま表現できる自由度の高い仕様として、意匠設計の選択肢を大きく広げています。

設計時に注意すべき「ササラ」の法規と強度

ササラの設計には、構造強度の確保に加えて建築基準法に基づく確認事項があります。

寸法と有効幅の確保

建築基準法施行令第23条では、階段の幅や「蹴上(けあげ)」「踏面(ふみづら)」の最低基準を定めています。特に内ササラ(側桁形式)の場合、ササラの板厚分だけ踏板の有効幅が狭まるため、法定の有効幅を確実に確保できるよう注意が必要です。

構造強度計算

ササラは斜めにかかる梁として、曲げモーメントと軸力が同時に作用します。そのため、建築基準法施行令に基づく許容応力度計算によって断面を決定することが原則です。建物の用途に応じた積載荷重の設定と、傾斜角度を踏まえた正確な荷重評価が求められます。

「階段屋ヨコモリ」が選ばれる理由とは

ササラの意匠・材質・納まりは、設計段階の検討だけでは解決できない製作上・施工上の課題が多く存在します。こうした課題に対して、設計から製作・施工まで一貫して対応できる専門メーカーへの早期相談が、プロジェクトの品質とスケジュールを守るうえで効果的です。

日本一の施工実績に基づく圧倒的なノウハウ

横森製作所は1951年創業の国内最大の鉄骨階段専門メーカーです。200mを超える日本の高層ビルの約8割に採用実績があり(※2024年7月受注実績 横森製作所調べ)、超高層ビルTOP50のうち44物件にヨコモリの階段が採用されています。麻布台ヒルズ森JPタワー・あべのハルカス・横浜ランドマークタワーなど、さまざまな意匠要求と構造条件に対応してきたノウハウが、ササラの選定・設計・製作に直接活かされます。

工場生産による高品質・工期短縮の実現

横森製作所では、独自のCIM(コンピュータ統合生産)システムによる工場生産体制を確立しています。設計データから製作図を生成し、工場内で精度の高い加工・溶接・組立を行うことで、現場での手直しを最小化し品質の均一性を確保します。受注後の製作リードタイムを短縮できるため、タイトな工程を持つビル建設や改修プロジェクトにも対応しやすい体制となっています。

設計・製作・施工までの一貫体制

横森製作所では、設計段階からのササラの意匠・納まり・構造の検討相談に応じており、製作・施工まで一貫して対応します。設計事務所・ゼネコンとの連携実績も豊富で、確認申請に必要な技術資料の提供にも対応しています。ビルの新築・改修・用途変更に伴う階段の増設・リニューアルまで、プロジェクトの規模や要件に応じた最適な提案が可能です。

まとめ

鉄骨階段のササラは、構造を担う梁であると同時に、階段の意匠を決定づける重要な部材です。形状(内ササラ・外ササラ)と材質(平鋼・溝形鋼・ボックス・レーザーカット鋼板)の組み合わせによって、建物のコンセプトに合わせた多彩な表現が可能です。設計段階では建築基準法施行令に基づく寸法確保と構造強度計算を確実に行ったうえで、施工性・コスト・工期の条件も踏まえて最適な仕様を選定することが重要です。横森製作所では設計段階からのご相談に対応しており、意匠性と施工性を両立した鉄骨階段の実現をサポートします。